【大江戸SWO出演情報★第58回東京都職場・一般吹奏楽コンクールに出場します】

★第58回東京都職場・一般吹奏楽コンクール 2日目

8月5日[日]
足立区立西新井文化ホール
演奏時刻⇒31番15:45〜
課題曲:Ⅲ 吹奏楽のための「ワルツ」 高 昌帥
自由曲:吹奏楽のための「夜想曲」(委嘱作品)(福島弘和)
入場料:無料
指 揮:樫野哲也

8回目のコンクール出場になります。

いい演奏できるよう団員一同頑張ります。

応援よろしくお願いします。

 

定期演奏会に演奏した際の楽曲解説貼っておきます。
動画は最後にブログ貼っておきますのでそこから見て頂ければと思います。

解説:石原勇太郎[音楽学

課題曲: Ⅲ 吹奏楽のための「ワルツ」 高 昌帥

 

 本年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲として、全日本吹奏楽連盟からの委嘱により作曲されたのが本作《吹奏楽のための「ワルツ」》である。本作について、高は次のような興味深い言葉を残している「スコアに私がどんなに細かく書き込んでも自由な解釈の余地はいくらでも残されていると思っています。」(会報『すいそうがく』2017,12, p.3)。課題曲という性質上、(たとえそれが行進曲であっても)標題的作品が多い中で、このような伝統的な様式による絶対音楽的作品が現れたことは大変興味深い。

 冒頭はワルツの前奏。本作全体の主調であるB-Durに対し、前奏はドミナントを形成するF-Durと、その平行調であるd-Mollが中心。クラリネットセクションのゆったりとした語りが、少しずつワルツのテンポへ向い第1ワルツが開始する。第1ワルツはB-Durだが、準固有和音等を用いることでわずかに短調の薫りもただよう。細かな音符を用いたブリッジを経て、第2ワルツもまたB-Durで現れる。第2ワルツは第1ワルツに基づいたものであるが、旋律自体は変奏されているため、別の性格を獲得している。ゆったりとしたブリッジを経て、これまで現れた要素を用いた第3ワルツがAs-Durで堂々と提示される。最終的にはB-Durへと戻り、霧の中へと消えてゆくように静かに終結する。

 高自身が語ったように、本作は「『ワルツ』という伝統的なジャンルと19世紀末頃の調性語法」による作品である。特にP.I.チャイコフスキーやF.ショパンの作品、M.ラヴェルの《ラ・ヴァルス》に見られる「腐敗した(偽物の)ウィンナ・ワルツ」の影響が強いように思われる。

 

 

自由曲:吹奏楽のための「夜想曲」(委嘱作品)[福島弘和]

夜想曲ノクターン)」とは、19世紀に流行した特定の情景や気分を表現する曲である「性格的小品」の一種。一般的には夜の様々な風景を描いた作品である。つまり、福島による《吹奏楽のための「夜想曲」》も、なにか特定の物語を持っていると考えることができるだろう。しかし、本作は大江戸シンフォニックウィンドオーケストラによる委嘱作品。作品に内在する物語がどのようなものであるかは、わたしたち聴き手に開かれている。

 冒頭のフルートとオーボエを中心とした楽器群による憂いを帯びた旋律は、特徴的な同音連打を含んでおり、これが一種の「語り(レチタティーヴォ)」のようなものを思わせる。そして、旋律が現れる度に同音連打の音数を増やすことで、音楽が前へと加速してゆく。この旋律は、ガラス細工のような繊細さと儚さを感じさせるが、それはヴィブラフォンやハープが響かせる和音に減音程が含まれていることにもよる。通常、夜想曲三部形式を取るが、本作もまた変形された三部形式(A―B―C(A+B))を取っていると考えられる。

 冒頭で提示されたフルートとオーボエによる旋律が歌い継がれてゆくと、低音楽器の不気味なオスティナートが特徴的なBへと進む。Bもまた、冒頭の旋律の影響を受けた旋律が交錯するが、もはや繊細さはなく、音楽は劇的に展開されてゆく。基本的にはAの冒頭で提示された旋律が様々な形で現れつつ進行してゆく。それはまさに、祭りの後の寂しさや、懐かしい日々を回顧する様を思わせる。そのことは、形式上Cと分類されるAとBが結合した部分が、あたかも再現部のような役割を果たすことからも明らかであろう。

 この魅力的な不安定さが、最終的にどのような結末を迎えるのかは、ぜひみなさん自身の耳で聴いていただきたい。まったく新しい作品を聴けるというのは、わたしたち音楽愛好家にとってこの上ない喜びなのだから。

 

第7回定期演奏会に寄せて 石原勇太郎氏楽曲解説導入編

標題音楽絶対音楽のはざまで――日本の吹奏楽作品のこれまでとこれから

 

  戸ノ下達也らによる『日本の吹奏楽史 1896-2000』(青弓社, 2013)に、作曲家中橋愛生による「吹奏楽曲創作の歴史」と題された短い概論が掲載されている(前掲書, p.169-182)。その中で中橋は次のような指摘をしている。「現代日本吹奏楽作品の『需要』は、このイベント[吹奏楽コンクール]で演奏するのに適した作品かどうかという一点に尽きる。この需要に適さないものは、どんなに音楽的に優れていても、広く受け入れられることは少なく、逆にここに受け入れられれば、吹奏楽作家として安定できることになる。」(前掲書, p.179)。

 中橋の指摘を基に考えてみると、近年の日本の(あるいは世界的に見てもそうかもしれないが)吹奏楽作品は、いわゆる「標題音楽」的作品が多く、それと対照となる「絶対音楽」的作品は少ないように思われる。しかし、標題音楽絶対音楽のどちらが優れているかという、19世紀的な議論をここで行うつもりはない。教育とも深く結びついた吹奏楽において、標題音楽的作品が果たす役割も十分理解できる。しかし、音楽というのは常に進化し続けるもので、吹奏楽のための作品もその例外ではない。現代日本の作曲家たちは、標題音楽に異常なほど傾いてしまっている吹奏楽の作品に、絶対音楽的な要素を入れつつある。そんな吹奏楽作品の発展を、この第1部で聴いていただこう。

音楽と物語が見事に一致し、華麗なる空想の世界を創り出す八木澤。親しみやすく、美しい旋律がその作品からあふれ出す酒井。無駄のない構造の中に、幻想的な一輪の華を咲かす高。喜びや悲しみ、様々な感情がその作品を疾走する福島。近年の吹奏楽作品の発展を担ってきたこれら4名に、吹奏楽作品の明日を担ってゆくことになる若手作曲家の野呂と関口の2名を加えた、6名の作曲家の作品から、標題音楽絶対音楽のはざまに揺れる作曲家たちの姿勢を見つめたい。

作品公募 2018のお知らせ

2018年7月14日(土)に開催される、第7回記念定期演奏会で演奏する公募作品を募集いたします。

・実施要項は以下リンクの大江戸WebSiteよりダウンロードしてください。

 

作品公募 2018のお知らせ

 

沢山のご応募、団員一同お待ちしております。

ご報告 コンクールお礼

第57回東京都職場・一般吹奏楽コンクールに於いて大江戸シンフォニックウィンドオーケストラは42団体中7番目846ポイントを頂きゴールド金賞を受賞しました。
上位12団体が9月10日[日]に行われる東京都大会に進められるのですが、お陰様で推薦されました。
応援をしてくれました皆様、本当に有り難うございました。
4年ぶり3度目の都大会、30団体の気持ちも背負って臨みたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

 

課題曲 Ⅰ スケルツァンド(江原大介)
自由曲 瓦礫の城(福島弘和)未出版

 

f:id:kashijan22077:20170807181238j:image

[動画有]大江戸SWO出演情報★第57回東京都職場・一般吹奏楽コンクールに出場します。

★第57回東京都職場・一般吹奏楽コンクール 2日目

8月6日[日]
足立区立西新井文化ホール
演奏時刻⇒33番15:45〜
課題曲:1 スケルツァンド(江原大介)
自由曲:瓦礫の城(福島弘和)
入場料:無料
指 揮:樫野哲也

7回目のコンクール出場になります。

いい演奏できるよう団員一同頑張ります。

応援よろしくお願いします。

 

定期演奏会に演奏した動画と楽曲解説貼っておきます。

 

解説:石原勇太郎[音楽学

課題曲: Ⅰ スケルツァンド[江原大介]

 飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を続けている江原大介(1982-)は、吹奏楽を含む、様々な分野で作品を発表している。《躍動する魂》で第1回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位を受賞し、2009年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲に選ばれたことが記憶に新しいが、今年度の全日本吹奏楽コンクールでも第27回朝日作曲賞を受賞した《スケルツァンド》が、課題曲として選ばれた。

 序奏を伴った3部形式の本作は、古典派以降の西洋音楽で確立してきた「主題労作」の技法と、中世の時代には忌み嫌われ、R.ワーグナーの時代には転調の手法として好まれた「三全音(増4度/減5度の音程)」がふんだんに盛り込まれている。特筆すべきは、その序奏部分。序奏部分は、上記の要素が本作の基本的な姿勢であることを十分に物語ってくれる。本作の主要主題は、テンポを速めた主部でクラリネットサクソフォンが提示する軽やかで愛らしい主題であるが、序奏でその動機はすでに提示されている。また、冒頭のB-DurとE-Dur、Ges-DurとH-Durの主和音の交差は、本作に「三全音」が浸透していることを暗示している。

 「スケルツァンド」という題名は「おどけて」というような意味の音楽用語と同じであるが、それはイタリア語では「予期しないような、嘘のような出来事」を示す時に使用される。快速なテンポの中で、予期しないような転調や展開が行われる本作は、まさに「スケルツァンド」の題に相応しい豊かな楽想で満たされている。


スケルツァンド

 

自由曲:瓦礫の城[福島弘和]

 人気作曲家の福島弘和(1971-)は、水爆実験の悲劇を描いた《ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶》や、東日本大震災の復興を願って作曲した《希望へ続く道》など、悲惨な出来事や、それに対する哀悼の意を込めた作品を数多く発表している。埼玉県立芸術総合高等学校の委嘱により作曲された《瓦礫の城》もそのひとつ。《瓦礫の城》は、福島第一原子力発電所の忘れがたい事故をテーマにした作品。《瓦礫の城》とは、かつて私たちの生活を支えていた福島第一原発が、「瓦礫」が積み重なるだけになってしまったことにちなんだ題名なのである。作曲者の福島は、本作の東京初演を指揮者、樫野哲也に託した。樫野がこれからの日本を担ってゆく世代にして、政治への参加も積極的に行っていることに、福島は何かを感じたのかもしれない。

 重苦しいF音とC音の空虚5度の中で、本曲の核となる5つの音(As・B・G・F・As音)がうごめく。F音が、Fukushimaと関係していると考えるのは考え過ぎだろうか――少なくともD.ショスタコーヴィチ以来、政治的なメッセージが「音名象徴」に込められることが多いという事実があるのだ...。

 冒頭から続くうごめきが強まり、頂点を築くと、グロッケンに十字架音型を多く含む動機が現れる。クラリネットのソロはなんとも悲痛な叫び。続く急速なテンポの部分では、あの5つの音はもちろん、半音階的動機や、連続する3連符が目立つ。これらの要素が交錯し、崩壊してゆくと、凄まじく不協和な空間を生み出す。またも空虚5度の空間に至り、最後には5つの音が垂直に重なり無へと帰する。

 本作とは直接関係しないが、福島は《ラッキードラゴン》の解説で、次のようなことを書き残している――この曲[《ラッキードラゴン》]を吹奏楽コンクールなどで、若い方達が接すれば、少なからずこの出来事や今も続いている核実験など考え感じてもらえると思います。そしてその演奏を聴いてくださったお客様も何かを感じていただけると思います。そうやって「忘れてはならない」輪が少しずつ広がって行くと望んでおります。


瓦礫の城